詩歌

和歌・辞世を学ぶ

13 大和三山の妻争い 中大兄皇子

 香具山は 畝傍惜(を)しと 耳成と 相争ひき

  神代より かくにあるらし

  いにしへも しかにあれこそ

  うつせみも 妻を 争ふらしき  

                  巻1-13 中大兄皇子

 香具山と 耳成山と あひし時

    立ちて見に来(こ)し 印南国原(いなみくにはら)  

                  巻1-14 同上

 

 わたつみの豊旗雲に入日さし

    今夜の月夜 さやけくありこそ 

                  巻1-15 同上

-----

 新羅征伐に向かう途中、播磨で中大兄皇子が詠う。

「播磨風土記」に出雲の神の「三山争いの仲裁伝説」を踏まえて、額田王の件と重ねたようだ。

 「ををしと」を「を惜し(を愛し)」とする説、「雄々し」とする説があるようだ。

前者で得意げに詠ったのではないかと思いますが、どうなのでしょう。

-----

万葉集遊楽

電子書籍 万葉集 解説サイト